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zoom RSS 広告リテラシーの試み〜「アジア太平洋広告祭 ADFEST2009展」受賞作品を見る〜

<<   作成日時 : 2009/08/24 22:49   >>

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 はじめまして。GMS学部高ゼミ4年のA.Iです。6月末、私は「メディア史」の授業で高先生に紹介していただいた「アド・ミュージアム東京」を初めて訪れました。その頃、企画展示では「アジア太平洋広告祭 ADFEST2009展」が行われ、各部門の銀賞以上の受賞作品が紹介されていました。

 ADFEST2009展の中で私が最も印象的だったのは、プリントクラフト(Print Craft)部門で銀賞を受賞した「Ridsect」という殺虫剤(シンガポール)の広告でした。


「虫目線」の面白さ

 理由は二つあります。まず一つ目は発想の着眼点が面白かったからです。

 ポスターは3種類あります。1枚目は大量の請求書に囲まれて、電卓にはマイナスの数字が並ぶ借金で首が回らなくなっているゴキブリ、2枚目は恋人からの別れの手紙を読んで片手に酒の瓶を持って泣いている蚊、3枚目はベッドに横たわり今にも死んでしまいそうなハエが、それぞれディズニー映画のようなCGで描かれています。

 この3枚に共通しているのは3匹がそれぞれ殺虫剤を自分に向けているのです。

 つまり、これは「虫が自殺に使うぐらい強力な殺虫剤」という意図だと思われます。これはなかなか出来ない発想であると思い、印象的でした。


「自殺理由」に疑問

 2つ目の理由は、注意深く見てみると3枚目の病気のハエの表現描写に問題があると思ったからです。(説明しやすくするため、下にその画像を貼り付けておきます。画像の出典: http://pontopublicitario.files.wordpress.com/2007/10/suicidio-3.jpg

GMS学部

 よく見てみるとベッドに「HIV POSITIVE」、つまりこのハエはエイズ患者であり、それによって今死にそうになっているということなのです。この表現に大変疑問を感じました。

 わざわざ病名を書かなくても、ベッドで横たわり点滴を打っているのを見れば少なくとも病気であることぐらいは分かるはずです。わざわざ「エイズ」であることを明記する必然性を感じませんでした。

 しかも、今は医学も進み、エイズの発病を抑える薬や治療法も見つかっているそうです。

 つまりエイズ=死ではないのです。それにも関わらず、この広告だとエイズは死に直結するという必ずしも正しいとは言えない印象を与えかねないと思いました。
 
 もう一つ、あくまでこれは私の推測なのですが、薬の入っている棚の上にこのハエが他のおそらく男性と思われるハエと肩を組んでいる写真があります。

 これとHIVという文字を見た時に私はまさかと思いましたが、ひょっとするとこのハエは同性愛の男性であり、それでエイズになった。だから今ベッドで寝ているという設定なのではないかと考えました。

 もし、そうだとするとこれは大きな問題です。80年代にエイズで世界が大騒ぎした時に最初の患者が同性愛男性だったため、エイズは同性愛男性がなると思われ、感染者に対しての社会的偏見が問題になりました。

 その後、エイズは異性間、もしくは出産時の母子感染でも感染することが分かり、偏見はある程度は減りました。

 しかし、この広告を見ると、少なくともシンガポールではエイズは同性愛男性がなるものであるという共通認識なのではないかと思いました。

 展示には細かな解説はなく、これらはあくまで憶測の域を出てはいませんが、この広告の表現には問題があると思いました。

 漠然と見ていた広告をよく見ると、その国が見えてくると強く感じました。(4年、A.I)

関連記事:
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